7月6日発売のソニー製「NHKが映らないテレビ」がネットやTVニュースで話題になっています。
受信料支払いの有無のみが注目されていますが、NHKが映らない仕組みやそもそも発売の目的がNHKを見ない人用ではないことは理解されていません。
ここではこのテレビの正体を明らかにしていきます。
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ソニーは「NHKが映らないテレビ」をなぜ発売するなのか?
ソニーがなぜ「NHKが映らないテレビ」をなぜ発売するなのかですが、はじまりはソニーの株主総会での要望だったそうです。
なんと「NHKが見られないテレビを開発してほしい」という要望が出たそうです。
要望者の意図はその際の発言から、次のようなことではと推測します。
NHKは地上波のみならずBS、ワンセグでも受信料を取っている。
放送と通信の融合の観点から将来的にインターネットでの番組配信も見込まれ、その際にも受信料を取るらしい。
普段NHKを見ていないのにテレビがあるだけで受信料を強制的に取られるのは不合理だ。
といったところではないでしょうか?
この要望に対してソニーの吉田社長は「参考にしたい」と答えたそうです。
「参考にしたい」とか「検討したい」などの言葉は、大抵の場合「聞き置きます」で終わってしまうことがほとんどです。
「NHKが見られないテレビの開発」は普通に考えると、そんな無理言っても通る訳がないと思いがちです。
しかしソニーは、内部でどのように「参考にした」のか分かりませんが、実現してしまったのです。
(写真はソニーのホームページにあるものです)
一見的外れで常識外のこの提案を、既成概念を取り払って開発してしまったと言っていいでしょう。
最近業績好調のソニーですが、創業当時の精神に立ち戻って前進しようということなら、今後再び夢のある製品を開発してくれるかもしれません。
期待したいですね。
ソニーの「NHKが映らないテレビ」の実体はどんなもの?
では「NHKが映らないテレビ」とはどんなテレビなのでしょう?
商品名は「液晶モニター法人向けブラビア BZ35F / BZシリーズ」となっています。
ということは、その実体はパソコンなどで使う液晶モニターの大型タイプのものにNHK以外のテレビ番組を見られるようにする機能が付加された機器のようです。
サイズは43型から85型までとなっています。
用途としては法人向けでミーティングスペースや中会議室で使われることを前提とした形を取っています。
今のテレビでは映像を映し出す液晶画面と受信した電波を映像に変換するチューナーがついています。
「NHKが映らないテレビ」と聞いた時、最初は受信可能な周波数帯からNHKの周波数を範囲外にするのかなと思っていましたが、そうではありません。
そうではなくチューナーが付いていないので、そのままではNHKのみならず民放も映りません。
では、法人向け専用モデルの形を取っていて、必ずしも個人の利用者の要望に沿ったものではないとしても、個人がNHK以外の番組を見るために使えないかというと、答えは「使える」です。
この新型モニターにはあのスマホでおなじみのグーグルのアンドロイドOSが搭載されているのです。
スマホを使っている人ならご存知の通り、スマホではアプリをインストールして、様々な機能を使います。
同じようにこのモニターでも民放番組専用のアプリをインストールして使う仕組みです。
「TVer(ティーバー)」はその一つで、東京の民放5社とその系列局が無料でサービスを提供しています。
NHK受信料は取られるの?
NHKはこの「NHKが映らないテレビ」に対して受信料を取るか取らないかの、明確な見解を出していません。
本来、放送電波を受信しないものに対して受信料を取るのは不合理です。
しかもNHK番組が見られないのですから。
しかし、ここ何年かの受信料に関する裁判でNHKは勝訴し続けているので、どんな方針を打ち出してくるかは予断を許さないところです。
ただ、今回ばかりは受信料徴収というわけにはいかない気がします。
まとめ
ソニーの「NHKが映らないテレビ」は確かにその通りなのですが、会議などで使うモニターディスプレイとしての用途として開発された製品というのが本来の目的なのです。
ついでにアプリで民放のテレビ番組も見られますよ、ということです。
しかし、株主総会で提案されたこともあり、本音は「NHKが映らないテレビ」なのかもしれませんね。
さあ、これからどちらの目的で購入される方が多くなるか、興味津々です。
その行方によっては、他メーカーも追随するかもしれません。
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