夏至(げし)になると、これからだんだん昼間の時間が短くなるなあという思いと同時に、まだ6月の下旬で真夏でもないのになぜ日が短くなっていくのだろうと、ふと疑問に思ったりすることはありませんか?
夏至は梅雨の中ごろに当たり、毎年だいたい同じ日なのですが、年によって1日ずれたりします。
今年の夏至はいつでしょう?興味深い夏至の食べ物の風習とともにご紹介します。
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夏至の日はどのように決まるの?
夏至(げし)は1日の日の出から日の入りまでの時間が1年中で一番長い日で、二十四節季(にじゅうしせっき:1年を24等分した季節を表す言葉)の一つです。
夏至は太陽が夏至点を通過する瞬間を含む日のことなのですが、簡単にいうと太陽の通る道が一番北側になるので、1年中で一番日が長い日になります。
夏至の日はこのように太陽と地球の位置関係によって決まるので、その年によって1日程度前後することになります。
2018年の夏至の日は、
6月21日(木曜日)です!
参考までに、2019年の夏至は6月22日(土曜日)になります。
因みに南半球では夏至の日は冬が始まる昼間が一番短い日になります。しかもオーストラリアやニュージーランドでは冬至ではなく夏至に当たる英語「summer solstice」という言葉を使います。
これは、ヨーロッパで言われていた夏至という言葉がそのまま伝わって使われるようになったようです。
冬なのに夏至なんで、面白いですね。
夏至の日の食べ物とは?
夏至と反対の冬至には、食べ物や行事の風習がいくつもあります。
代表的なものとしては、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりします。
一方、夏至では行事や食べ物ですぐに思いつくものがありません。
よくよく調べてみると、夏至から半夏生にかけて地方ごとに田植えと共に違った食べ物の風習があるようです。
半夏生(はんげしょう)とは、夏至の日から11日目の日のことです。
2018年は7月2日(月曜日)です。
各地方の食べ物の風習
各地で美味しそうな食べ物がいっぱいあります。
- 関東地方:新小麦で作った焼き餅を神様にお供えする
- 福井県 :越前焼サバを食べる
- 愛知県 :無花果(イチジク)田楽を食べる
- 大阪周辺:夏至から半夏生までの期間、タコを食べる
- 奈良県 :新小麦で作った餅を食べる。
- 京都府 :水無月(みなづき)という小豆を白いういろうに乗せた和菓子を食べる
- 香川県 :うどんを食べる
- 島根県 :新小麦で作った団子やまんじゅうを神様にお供えする
- 熊本県 :新小麦で作った団子やまんじゅうを神様にお供えする
各地の食べ物の由来
関東地方や奈良県、島根県、熊本県の新小麦の餅や団子・まんじゅうは、二毛作で小麦と米を作っていたので、夏至の頃はとれたての小麦が使われたのでしょう。
奈良県のこの風習は室町時代からあるそうです。
福井県の越前焼サバは、田植えの時期に脂ののった日本海のマサバを焼いて食べ、精をつけて田植えを乗り切る意味があります。
愛知県は味噌が名物ですが、イチジクも全国一の産地です。
なぜ夏至に無花果田楽なのかは分かりませんが、名物の味噌と名産のイチジクが結びついたのかもしれませんね。
面白いのは、大阪周辺のタコを食べる習慣です。
田植えが終わると、植えたばかりの稲がタコの足のようにしっかり根を張って育ってほしいと神様にタコをお供えして豊作祈願をしました。
その祈願が終わったらタコを食べたので、この習慣が生まれました
じつはタコには四方八方に伸びるしっかりした足を持っているだけではなく、食べ物としての効能もあるのです。
タコが持っている栄養素は、栄養ドリンクのCMでタウリン○○mgと宣伝しているあの「タウリン」です。
タウリンの効能は、
・疲労回復
・肝機能の強化
・心機能の強化
・血液浄化作用
・高血圧の改善
などとされています。
田植えは夏至の頃にされていたのですから、農作業で使れた体の疲労回復に、タコは適した食べ物だったのです。
同じ関西地方でも、京都は水無月という和菓子、奈良は小麦餅を食べるなど、違いも見られます。
京都の和菓子、水無月の白いういろうは、平安時代に氷室から切り出した氷を食べて暑気払いをする宮中の風習があり、それに似せたとも言われています。
四角い形を斜めに切って半分にして、1年の残り半分を無病息災で過ごせるよう願うのだそうです。
香川県は讃岐うどんが名物で、全国的に有名ですね。
1年中うどんを食べている香川県でわざわざ半夏生にうどんを食べるのがなぜ習慣なのでしょう?
この時期に収穫されたばかりの新小麦の粉で打ったうどんを食べて、収穫を祝うということなのです。
まとめ
今回は夏至と夏至の日にかかわる食べ物について、
・夏至の日はどのように決まるの?
・夏至の日の食べ物とは?
(各地の食べ物の風習、各地の食べ物の由来)
をご紹介しました。
いずれも稲作や小麦など、農業に関係することから、私たちは農耕民族だなあと、今さらながら感じさせられます。
あなたの地方では、夏至にはどんな食べ物の風習がありますか?
地方ごとに古き良き習慣を楽しみましょう!
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