震源近くでは震度6弱の大きい地震です。
死者5人、負傷者300人以上と見られています。
5人が犠牲になったことには、これまでの地震の教訓が活かされていなかったのではとの思いがあります。
地震が起きるのは防ぎようがないが、人が犠牲になることのないよう今回の地震から学べることを考えてみます。
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大阪北部地震の状況
17日には群馬県で震度5弱、16日には千葉で震度4の地震が起きていて、このところ続けざまに地震の発生が起きています。
(写真はいずれもテレビ画面の撮影です)
18日朝の大阪北部地震では5人の方が亡くなりました。
・小学校4年生の女子生徒(9歳)が投稿中に小学校のプールのブロック塀が倒れて、その下敷きになりました。
・80歳の男性が民家のブロック塀の下敷きになりました。
・85歳の男性が倒れた本棚に挟まれました。
・81歳の女性が倒れたタンスに挟まれました。
・65歳の男性が原因は明らかになっていませんが、地震が原因とされています。
小学生1人とお年寄り世代4人です。
ブロック塀やタンス、本棚など、従来から地震対策の対象として挙げられていた物が原因の死亡が目立ちます。
大阪北部地震で人の犠牲は避けられなかったか
死亡者5人中4人が物が倒れたことが原因です。
それぞれに対して、原因をもう少し深堀りしていきます。
小学校のブロック塀の倒壊は、建築基準法違反が指摘されています。
建築基準法では、ブロック塀の高さは2.2メートル以上は原則認められていません。
さらに、1.2メートルを超える場合は、「控壁」を付けて強度を補強するように決まっています。
このブロック塀は3.5メートルもありました。
しかも、「控壁」はついていません。
小学校の施設は3年ごとに点検することが建築基準法で義務付けられていますが、このブロック塀については点検結果が報告されていなかったことから、対象から外れていてチェックされていなかったと推測されます。
高さオーバー、控壁無し、点検なしの点から、3重の建築基準法違反が野放しになっていたことになります。
さらに、まだ調査中で明らかではありませんが、ブロック塀の強度を保つための基準に沿った鉄筋が入っていたかという疑問も残っています。
法律は安全な国民生活を守るために定められていますが、それが守られずに今回の被害が起きたとすれば、それは人災というもので、市や学校など関係機関の責任は重大です。
地震は人間が制御や抑止はできないのです。
・80歳の男性が民家のブロック塀の下敷きになった件は、写真からも分かるように、高さは基準以下のようですが、鉄筋は入っていません。
以上二つの事例は、法律通りに作られていれば犠牲が防げたということです。
85歳の男性が倒れた本棚に挟まれた件と
81歳の女性が倒れたタンスに挟まれた件は、
地震への対策として家の中で倒れるのを防ぐために、家具を壁や天井に固定することを、これまでにもテレビ番組等を通して注意を促してきています。
ところが、法律での強制ではないために、未だに多くの家庭で見過ごされてきているのが実態と思われます。
これからの地震に備えるには
1978年6月の宮城県沖地震で宮城県はブロック塀の倒壊で18人が犠牲になりました。
これを受けて1981年に建築基準法が改正され、それまでブロック塀の高さ制限が3メートルだったのを2.2メートルになりました。
今回の小学校のブロック塀は3.5メートルと制限を超えていることから、1981年の法律改正前に作られた可能性があります。
実際にいつなのかは不明だそうです(?)
問題は法律制定・改正前に作られた建造物は新しい基準に対して不適合であっても、そのままになっている場合が大多数だということです。
違反しても必ずしも罰則などのペナルティが課されるとは限りません。
理想は「法律に従って即対応して事故を前もって防止する」です。
しかし残念ながら、
・法律の規制を知らない
・知っていても様々な理由で改善対応しない
のが、我々の多くに見られる実態なのです。
様々な理由とは、
費用面やついつい放置してしまう
など、人間の習性とも言えます。
痛い目に会わないと分からないということです。
今回のような痛ましい事故が発生したのを機に、国、各自治体、そして私たちが即対応するしかありません。
少なくとも
・ブロック塀の危険性に対しては全国的な総点検と改修
・家具転倒については私たち一人ひとりが防止対策する
の二点は即刻実施する必要があります。
このような改善を一つひとつ積み重ねていって、安全で住みやすい街にしていき、それが文化を育てていくということになります。
そうでないと、我々日本人は教訓から何も学ばない劣等国民になりかねません。
まとめ
大阪北部地震の発生に鑑み、
・大阪北部地震の状況
・大阪北部地震で人の犠牲は避けられなかったか
・これからの地震に備えるには
について紹介し、考えてみました。
災害はいつやってくるかわかりません。
自分と家族が悲しい目に会わないように、是非出来ることをやっておきたいですね。
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