春の詩「春眠暁を覚えず」どう読むの?意味、使い方、作者は?全文は?

寒い冬が過ぎて、気候のよい春になると、夜も寝心地がよくなりますね。
朝になってもついうとうととしてしまい、思わず寝過ごしたりしそうです。
そこでこの「春眠暁を覚えず」の出番になります。
今回は、これは何の言葉?から始まって、読み方、意味、使い方、作者、さらにはこの言葉に続く全文について解説します。

どう読むの?

「春眠暁を覚えず」は
「しゅんみんあかつきをおぼえず」と読みます。

どんな意味?

広辞苑(岩波書店)と国語大辞典(小学館)に載っている意味を紹介します。

まず、「春眠」は

・広辞苑:春の夜の眠り

・国語大辞典:春の夜のねむり

で同じです。

「春眠暁を覚えず」は

・広辞苑:春の夜は寝心地がよいので、夜明けになってもなかなか目が覚めない。

・国語大辞典:春の夜は短い上に、気候が良く寝心地がよいので、夜の明けたのも知らずに眠りこんで、なかなか目がさめない。

広辞苑は直訳的で、「ああそうか!」って感じですね。

国語大辞典の方は、言葉から作者が読んだ状況を汲み取って説明していて、「なるほどね!」と意味を味わえる感じがします。

いつどんな使い方をするの?

使う時期はまさにぽかぽかした陽気の春です。

「あんまり気持ちがいいので、つい寝過ごしちゃったよ。
 春眠暁を覚えずだね。」
 
「彼はここのところ寝坊して遅刻ばかりしてるなあ。
 春眠暁を覚えずの真っ最中か!」

だれが作ったの?

中国、唐の時代に活躍した詩人、孟浩然(もう こうねん)です。

西暦689年~740年に生きた人です。
日本では飛鳥時代から奈良時代に掛けての時期に当たります。
700年代の初期は大宝律令が施行され、法隆寺が建立され、古事記や日本書紀が出来たころです。

あの楊貴妃とのロマンスで有名な玄宗皇帝は712年に即位しました。
孟浩然は玄宗皇帝を怒らせたりして、自由気ままにわが道を行く破天荒な行動の人だったと伝わっています。
この詩は、孟浩然が春眠を楽しんだところから出来たのでしょうね。

日本から遣唐留学生として唐に渡り、その地で長年活躍した阿倍仲麻呂とも同時代の人なので、もしかしたら顔を合わせているかもしれません。

全文は?

全文は春暁(しゅんぎょう)という名の五言絶句で出来ている漢詩です。

五言とは五つの言葉(文字)が一つのかたまりの文になっています。
絶句とはそのかたまりの文が4行で出来ている構成の詩です。

春 眠 不 覚 暁

処 処 聞 啼 鳥

夜 来 風 雨 声

花 落 知 多 少

日本語の文語的読み方は次のようになります。

春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず(おぼえず)

諸処(しょしょ)に啼鳥ていちょう)を聞く(きく)

夜来(やらい)風雨(ふうう)の声(こえ)

花落つる(はなおつる)こと知んぬ(しんぬ)多少ぞ(たしょうぞ、いくばくぞ)

最後の行は

花落つることを知る多少(いくばく)

とも読みます。

文語調なのでちょっと意味が分かりにくいですね。

現代語訳だとこうなります。

春 眠 不 覚 暁
春の夜は寝心地がよく、夜明けになってもなかなか気づかない。

処 処 聞 啼 鳥
あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえる。

夜 来 風 雨 声
昨夜は風雨の音がよく聞こえていたけど

花 落 知 多 少
どれだけの花が散ったことだろう。

次は中国文学者、石川忠久先生による現代語訳です。

春の眠(ねむ)りは心地よく、夜が明けるのも気づかぬほど。

ふと目覚(めざ)めると、あちらこちらから小鳥のさえずりが聞こえてくる。

そういえば、ゆうべは雨風(あめかぜ)の音が激(はげ)しかった。

今朝の庭は、花がどれほど散(ち)ったことだろう

さあ、あなたも休日には「春眠暁を覚えず」で身も心もリラックスしてみませんか?

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